胡蝶蘭の葉のサインを見逃さないで!黄色・しわしわ・斑点の対処法
胡蝶蘭の葉が黄色くなってきたとき、まず何を疑えばいいのか迷いますよね。
切っていいのか水を足すべきか、判断がつかないまま数日たってしまうこともあると思います。
こんにちは、水野栞です。
わが家の胡蝶蘭も5年目に入り、葉のトラブルはひととおり経験してきました。
結論からお伝えすると、葉の変化のほとんどは水のやり方と置き場所で説明がつきます。
症状ごとの見分け方と、その日のうちにできる手当てをまとめました。
胡蝶蘭の不調は、花より先に葉に出ます
葉は、水と養分をためておくタンクです
胡蝶蘭は東南アジアの木に張りついて育つ着生蘭で、土に根を下ろしません。
日本洋蘭農業協同組合のファレノプシス(胡蝶蘭)のページでも、木に付着して成長する植物だと説明されています。
土から安定して水をもらえない代わりに、あの厚くてつやのある葉に水分をため込んでいるわけです。
だから葉は、そのまま株の貯水タンクだと考えて差し支えありません。
中身が減れば表面はしぼみますし、根が水を送れなくなれば色が抜けていきます。
花が咲いていない時期でも、葉さえ見ていれば株の調子はだいたい分かります。
元気な葉がどんな状態か、先に覚えておく
比べる基準を持っていないと、変化そのものに気づけません。
わが家では、調子のいいときの葉をスマホで撮って残すようにしています。
- 手のひらで下から支えると、押し返してくるくらいの厚みと張りがある
- 表面につやがあり、濃い緑色をしている
- 左右に4枚から6枚ついていて、下から順に開いている
- 新しい葉が中心から年に1、2枚出てくる
葉の枚数は、最低3枚残っていれば花を咲かせるだけの力を蓄えられるといわれます。
2枚を切るところまで減った株は、咲かせることより回復を優先させてあげてください。
見た目より、触ったほうが早く分かります
色の変化は、株が弱り始めてからしばらく経って出てきます。
先に変わるのは硬さのほうです。
葉を下から手で支えて、軽く押してみてください。
健康な葉は指を跳ね返すような弾力がありますが、水が足りていない葉はふにゃりと沈みます。
このときの感触の差は、写真ではまず分かりません。
週に一度、水やりのついでに触っておくだけで、気づくタイミングがかなり早くなります。
症状別に見る、葉のサインと考えられる原因
下の葉が1枚だけ黄色いなら、たいてい寿命です
一番下の葉が薄く黄色くなり、しわを寄せながらゆっくり落ちていく。
これは病気ではなく、葉の世代交代です。
胡蝶蘭の葉の寿命はおよそ1年から2年で、新しい葉が中心から出てくるのと入れ替わりに、古い葉が役目を終えていきます。
慌てて切らず、完全に枯れて茶色くなってから外すほうが安全です。
まだ黄緑色のうちに切ると、株はそこから吸い戻すはずだった養分を失います。
問題なのは、下からの順番と関係なく複数の葉が黄色くなるときです。
しわしわ・ふにゃふにゃは、水切れと根腐れの両方で起きます
葉全体がしぼんでしわが寄る症状は、初心者がいちばん判断に迷うところだと思います。
水が足りなくても、水をやりすぎて根が傷んでも、葉には同じようにしわが出るからです。
見分け方はひとつだけで、鉢の中の植え込み材に指を入れてみることです。
- 中まで乾いていれば水切れなので、たっぷり与えて様子を見る
- 湿っているのにしわが寄っているなら、根が水を吸えていないサイン
後者の場合、水を足すのは逆効果になります。
水やりの考え方そのものは胡蝶蘭の水やり、実はこんなに奥が深いんですにまとめていますので、あわせて読んでみてください。
症状と対処の早見表
その日にどう動けばいいかを、症状ごとに整理しました。
| 葉に出ているサイン | まず疑う原因 | その日にすること |
|---|---|---|
| 一番下の葉だけが黄色い | 葉の寿命(1〜2年) | 様子を見て、枯れきってから外す |
| 順番と関係なく複数が黄変 | 根腐れ・低温・病気 | 水やりを止め、鉢の中を確認する |
| 葉全体がしわしわ | 水切れか根腐れ | 植え込み材の乾き具合を指で確かめる |
| 葉が内側に丸まる | 水切れか光不足 | 明るい日陰へ移し、乾きを確認する |
| 黒い斑点が広がる | 炭疽病などの感染 | 斑点の外側から切り、殺菌剤を塗る |
| 白っぽく擦れたような跡 | 葉焼け | 直射日光から外す(跡は元に戻りません) |
| 水がしみた部分と悪臭 | 軟腐病 | すぐ切り離し、株を隔離する |
黒い斑点が出たときは、斑点そのものより少し大きめに切り取るのがコツです。
使うハサミは、火であぶるかアルコールで拭いてから当ててください。
消毒しないまま切ると、切り口から別の菌を招き入れることになります。
葉のトラブルの多くは、根から来ています
葉に出る前に、根が先に傷んでいます
葉が黄色くなったりしぼんだりする原因をたどると、たいていは根に行き着きます。
根が傷んで水を吸い上げられなくなり、その結果としてタンクである葉が減っていく、という順番です。
葉だけを見て水を足しても改善しないのは、そもそも吸い口がふさがっているからなんですね。
わが家でも、葉が2枚続けて黄色くなったときに鉢から抜いてみたら、根の半分が茶色く潰れていたことがあります。
あのときは水やりの間隔が短すぎたのが原因でした。
根の色と硬さで、傷みを見分ける
透明のポットで育てていれば、抜かなくても外から確認できます。
見るべきポイントは色と硬さの2つです。
- 白銀色で太く、指で押しても潰れないのが健康な根
- 水を吸った直後は緑がかり、乾くにつれて白く戻る
- 茶色や黒に変色し、押すとぐしゃりと潰れるものは傷んだ根
- 中身がなく皮だけが残っているものは、すでに機能していません
日本洋蘭農業協同組合も、植え込み材料がしっかり乾くまで水を与えないことを基本原則として挙げています。
乾く過程で根に空気が入り、発根が促されるためです。
傷んだ根を見つけたときの手当ての順番
慌てて全部を切ると、株が持ちこたえられなくなります。
次の順番で進めてください。
- 水やりをいったん止め、風通しのいい明るい日陰に移す
- 鉢から株を抜き、古い植え込み材を落とす
- 消毒したハサミで、黒く潰れた根だけを切り落とす
- 切り口が乾くまで半日ほど置いてから、新しい植え込み材で植え直す
- 植え替え後1週間から2週間は水を与えず、根が落ち着くのを待つ
植え替えそのものの手順はもらった胡蝶蘭を捨てないで!花後の管理で詳しく解説しています。
季節でつまずくのは、冬の低温と夏の葉焼けです
7℃を下回ると、根の活動が止まります
冬の葉の黄変は、寒さが原因であることがかなり多いです。
みんなの趣味の園芸(NHK出版)のコチョウランは温度で育てるによると、最低温度を18℃以上に保てれば年間を通して順調に育ち、15℃以上あれば花茎はゆっくり伸びるとされています。
一方で7℃以下になると根の先端が細胞分裂できなくなり、活動が完全に止まってしまうとのことです。
つまり冬に葉がしおれてきたとき、水不足に見えても実際は根が動いていないだけ、という場合があります。
この状態で水を与えると根腐れを招くので、まず室温を確認するのが先です。
冬の胡蝶蘭を元気に育てるヒーター活用法では、暖房を使った温度の作り方をまとめています。
暖房の風は、葉から水分を奪います
温度が足りていても、エアコンの風が直接当たる場所では葉が乾いてしぼみます。
吹き出し口の正面や、床置きヒーターのすぐそばは避けてください。
わが家では、暖房を入れている部屋の隅に置き、朝晩に霧吹きで葉の表と裏を湿らせています。
夏は遮光と、株元の水たまりに注意
夏に葉が白っぽく擦れたようになるのは、ほぼ葉焼けです。
一度焼けた部分は元に戻らないので、予防するしかありません。
みんなの趣味の園芸では、夏は40〜50%の遮光ネットの下に置くことが勧められています。
家庭ならレースのカーテン越しの光がちょうどこのくらいです。
もうひとつ、意外と見落とされるのが株の中央にたまった水です。
葉の付け根に水が残ったままだと、新しい葉が腐る原因になります。
水やりのあとは、ティッシュで軽く吸い取っておくと安心です。
においがしたら、その日のうちに切り離してください
軟腐病だけは、様子見が通用しません
葉の一部が水でしみたように透け、押すとぶよぶよして、鼻を近づけると嫌なにおいがする。
この組み合わせが出たときは軟腐病を疑ってください。
細菌性の病気で、進み方が他のトラブルとくらべものにならないほど速いのが特徴です。
軟腐病の症状と対策については、KINCHO園芸(旧・住友化学園芸)の解説ページが参考になります。
病原菌は植物の傷口から入り込み、気温が高く水分の多い環境で一気に広がるとされています。
胡蝶蘭でいえば、葉が擦れた跡や、株元に水がたまったままの状態が入り口になります。
切って、離して、道具を消毒する
見つけたときの動き方はこうなります。
- 消毒したハサミで、変色した部分よりかなり大きめに切り取る
- 切り口に殺菌剤を塗り、乾いた場所で管理する
- ほかの鉢からすぐに離し、風通しのいい涼しい場所へ移す
- 使ったハサミは、次に使う前に必ず消毒し直す
株の中心まで進んでしまった場合は、残念ながら回復は難しいです。
それでも、隣に並べていた鉢を守ることはできます。
複数の胡蝶蘭を育てている方ほど、隔離の判断は早めにしてください。
まとめ
胡蝶蘭の葉は、株の状態をいちばん正直に伝えてくれる場所です。
一番下の葉が1枚だけ黄色くなるのは寿命なので心配いりませんが、順番と関係なく複数が変色したときは根を疑ってください。
しわしわの葉を見たら水を足す前に植え込み材を触り、乾いているのか湿っているのかを確かめる。
この一手間だけで、根腐れを進めてしまう失敗はかなり防げます。
冬は7℃を下回らせないこと、夏はレースのカーテン越しの光に抑えること。
そして、においを伴う腐りだけはその日のうちに切ること。
覚えておくのはこの3つで十分だと思います。
わが家の胡蝶蘭も、葉を落としながらここまで来ました。
1枚黄色くなったくらいで、株が終わるわけではありません。
週に一度、葉に触れる習慣をつけるところから始めてみてくださいね。